お片付けインフルエンサーとして話題のかんなさんにインタビュー取材をしました。もともとお片付けが苦手で、いつも自宅を汚部屋にしてしまい悩んでいたというかんなさん。
お部屋をキレイに保つためのルールや考え方を理解して実行することで、時間の節約や精神的な安定、経済的なゆとりにもつながるのだとか。
今回は、部屋が散らかって悩んでいる方に向けて、お片付け上手になるためのテクニックを伺いました。
かんな
部屋から人生を整えるお片付けコーチ。壊滅的に片付けられなかったために、15年ほど汚部屋と格闘する人生を送る。 その後、保護猫を迎え入れたことでミニマリズムに目覚め、片付けられない自分を克服。過去の自分のように、お片付けができなくて悩んでいる方のお役に立てればと、Xを中心に日々発信中。
・Voicy:かんなの部屋から人生を整えるラジオ
・LINE公式アカウント:かんな【公式】本気で汚部屋を卒業するためのロードマップ
私も「汚部屋」で悩んでいた
※この取材はオンラインで行いました
──SNSを中心に「お片付けインフルエンサー」として人気のかんなさんですが、もともとは部屋がいつの間にか「汚部屋」になってしまうタイプだったそうですね。
──そんな「汚部屋」生活から脱却しようと思ったきっかけは?
それに、気づくと「あれがない、あれはどこにしまったっけ?」と、1日中探しものばかりしていたんです。モノをどこに置くかを決めていないから、いつもモノを無くしてしまう。それがすごくストレスフルな状態だって、自分でもわかってはいたんですけど……。
▲「汚部屋」時代のかんなさんの部屋。よく見ると猫ちゃんが……
──使いたいモノが使いたいときに見つからない、そもそもモノを無くしてしまったかもしれない……それはちょっとイライラしますよね。
──では、かんなさんはどのようにして「汚部屋女子」から卒業することができたのでしょうか。
まずはモノで溢れかえった部屋を整理するために、自分にとって不要なものは手放す、捨てる、ということから始めました。自分に「モノを捨てることは悪いことだ、しまっておくことが正しいんだ」という価値観、小さい頃からの刷り込みがあったことに気づいたのが大きかったですね。
──なるほど、価値観の転換も大事ということですね。以前のかんなさんがそうだったように、いつも部屋を散らかしてしまう人、汚部屋になってしまう人の特徴はありますか。
──かなり思い当たる点ばかりで耳が痛いです(笑)。特に「②捨てられない」「③後回しグセがある」あたりとか……。
──当たり前のように、無意識にやってしまってますね……。
▲現在のかんなさんのお部屋。スッキリとキレイに整理整頓されています
──いつか整理しよう、後でまとめて掃除しよう、と思っているうちに、いつの間にか部屋が乱雑になっています。
その考え方のせいで、「しっかり時間を確保しないとできない」となってしまう。ちょっとしたお片付けでさえも「今じゃない」と感じてしまう原因です。本当は、小まめに整理、整頓、収納といった作業を、自分ですぐに出来る範囲内で、スキマ時間でもコツコツとやるのがいいのですが……。
──完璧主義なタイプなのに、それがかえって部屋が散らかってしまう原因になってしまうとは……。矛盾しているようでいて、すごくありそうなお話です。
お片付け上手とは「自分軸」で考えられる人
──私はどちらにも思い当たる箇所がありますが、やはり「他人軸な人」の方が圧倒的に当てはまりますね。「誰か来る時に慌てて隠す」とか……(笑)。
なぜモノが捨てられないかというと、自分にとって大事なモノ、本当に必要なモノを見極められていないという傾向があるからだと思うんです。「他人」からどう思われるかでモノを所有するんじゃなくて、「自分」が本当に大切にしたいモノは何か、見極めることが大事です。
──部屋をいつもキレイにしておくためには、自分を軸にして価値判断できるマインドセットも大事、と……。
──なるほど、こういうことをちょっと意識するだけでいいのですね。すこしだけお片付け上手になれそうな気がしてきました。
「あれも好き、これも大事」と感じるかもしれませんが、きちんと自分と向き合っていくと、本当に大切にしたい物って、意外と少ないことに気付きます。自分にとって「一軍のモノ」と「それ以外のモノ」を見極めるクセをつけると、お片付け上手になれますよ。
──自分にとっての「一軍なモノ」を知ることができれば、結果的にモノを大事にすることにもつながる気がします。
いつも絶対にキレイにしておく場所=「聖域」を決める
──「床にモノを置かないをルール化」「すべてのモノに定位置をきめる」「使ったら元の位置に戻す」この3つを実行するだけでも間違いなく部屋がキレイになりそうですね。ただ、それを実行に移すのがなかなか難しいのですが……。
──ダイニングテーブルや、作業用のPCデスクなどを綺麗にしておく、とのことでしょうか。
──なってます、なってます! それ、よくぜんぶ置きっぱなしにしています(笑)。
そして、テーブルが乱雑になってくると、他の場所にもその「散らかり状態」が伝染していくんです。
──テーブルの上って、家の中でもとくに目立つ場所だから、その乱雑さが日常風景となって生活に馴染んでしまう感覚があります。
ダイニングテーブルの上を、汚部屋の侵食から守るための最前線、いわば聖域にする、という。そうすることで、そこを起点として「キレイ」が連鎖していくと思っています。
「どうしても捨てられないモノ」は、トランクルームに預けるという方法も
──なるほど、まずダイニングテーブルの上だけはいつもキレイな状態にしておくことをルールにすると。それなら実践できそうな気がします。とはいえ、整理や断捨離といっても「どうしても捨てられないモノ」「収納する場所がないモノ」もあると思うんです。
普段使いはしない趣味のグッズや、すぐには使わないけど、どうしても捨てるわけにいかない大事なモノって、たしかにありますよね。
──いくら断捨離しても、それを収納するための物置やスペースが足りない場合があるんです。
──基本の考え方はそうですよね。
▲トランクルームを利用して、自宅以外に別の収納スペースを確保するという方法も
──コストとのバランスを考えたうえで、自宅以外にも別の収納スペースを持つということですよね。
──「倉庫」だと考えると、自分にとって本当は無駄なもの、不要なモノを押し込めるための場所になってしまいそうです。
時間を置いてみて、やはり不要だと判断したら処分してもいいし、必要なときにだけ取りに戻ってもいい。とにかく、一時的でも部屋をキレイに整理するためのバッファとなる場所ができるのは、すごく魅力的ですね。
「汚部屋」から卒業して、人生が好転した
▲かんなさんのクライアントの部屋。足の踏み場もないほど乱雑だったが……(画像提供:かんなさん)
▲かんなさんのお片付け術を実践して、こんなにスッキリ!(画像提供:かんなさん)
無駄な買い物もしなくなるから、経済的なゆとりも生まれるでしょう。自分の周囲がスッキリしているだけで思考までスッキリして、いま自分が優先してやるべきことも明確になります。
──まさにいいことずくめですね。
──最後に、部屋が片付けられなくて悩んでいる人、汚部屋で困っている人にひとことお願いします。
一度きりの人生を楽しもうと思ったら、その土台となる住環境を整えることはとても大切です。世の中にはたくさんの収納術やお片付け本が出ていますが、まず重要なのは『あなたがどんな人生を生きたいか』です。今悩まれているなら、人生で何を大切にしたいのか、一度考えてみていただきたいなと思います。
TRUNKROOM-JOURNAL編集部です。収納スペースを確保したい人に向けて、レンタル収納スペースに関するお役立ち情報をお届けします。