片付けたいとは思っているけれど、いつの間にか部屋中に物があふれ、床は散らかりっぱなし……。
無造作に放っておかれたままの物を整理したり、不要な物を捨てることができないと、いつの間にか部屋が散らかってしまいますよね。物が散乱した部屋で過ごしていると、やたらと探し物が増えたり、ちょっと移動するのにも動線が塞がっていたりして、精神的なストレスも溜まりがち。
では、不要な物をどうやって見極めて、どのように手放せばいいのでしょうか。
今回は、部屋が散らかって悩んでいる方に向けて、お片付けコーチ/インフルエンサーとして人気のかんなさんに、物を上手く捨てられない人が「断捨離」できるようになる方法について、お話を伺いました。
かんな
部屋から人生を整えるお片付けコーチ。壊滅的に片付けられなかったために、15年ほど汚部屋と格闘する人生を送る。 その後、保護猫を迎え入れたことでミニマリズムに目覚め、片付けられない自分を克服。過去の自分のように、お片付けができなくて悩んでいる方のお役に立てればと、Xを中心に日々発信中。
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目次
「物を捨てられない人」10の特徴
※この取材はオンラインで行いました
──今回の「物を捨てられない人」というテーマ、自分にもすごく当てはまるところがありまして……捨てられない本やTシャツ、レコードやらで、いつも部屋中がゴチャゴチャしているんです。いろいろ整理したり、不要なものは処分しなきゃとは思っているのですが……。
かんな:もし、すでにご自身の部屋がいつも散らかっている状態になっているのだとしたら、それはもう「物を捨てられない人」になってしまっているかもしれません。
私の実体験やクライアントさんから集めたデータから、「物を捨てられない人」の典型的な特徴をリストアップしてみました。まずはご自身がこのなかからいくつの項目が当てはまるか、チェックしてみてください。
──少なくとも5〜6つは当てはまりそうです(笑)。「いつか使うんじゃないか」「とりあえず捨てずにとっておこう」と、いつも考えてしまうんです。
- 「過去への執着」がある
- 「未来への不安」がある
- 感受性の豊かさなど本人の資質によるもの
- 親世代の価値観や学校教育、時代背景によるもの
こうした要素が強いのが、物を溜め込んでしまい、捨てられなくなり、結果として部屋が散らかってしまう人の特徴です。たとえば①の「もったいない精神が強い」って、親からの教育だったり、育った時代みたいなものがその理由だったりしますよね。
──たしかに「もったいない精神」=「物を大事にする」のは美徳だと多くの人が教わっていますよね。
実際私も、「捨てる」という価値観は持たずに育ちました。それがすべて間違いだとは言いませんが、あくまでもひとつの時代の観念だと考えて、この大量生産・大量消費の令和の時代を生きる上では、価値観をアップデートする必要があると思います。
──それと、②の「頂き物が手放せない」、③の「モノへの思い入れが強すぎる」も、すごく頷けるものがあります。誰かからもらったものを捨てるときって、どうしても相手の顔が思い浮かんだりしてしまいますし……物に対して、本来の価値以上の「意味」や「思い入れ」を込めてしまっているのかも。
相手は本来、喜んで欲しくてプレゼントしてくださっているわけですから、それが手放せないことで、かえってこちらがモヤモヤした気持ちになってしまうのは、相手も本望ではないはずですよね。
頂き物であっても、自分には不要だと判断したなら、気持ちを十分に受け取り、感謝したうえで、すぐに手放す勇気も大切です。
なぜ、私たちは物を捨てられないのか
──物を上手に手放せない理由として、「過去への執着」があったり、「未来への不安」があるというのは、とてもよくわかる気がします。
油断すると、すぐにお洋服やらグッズやらをショッピングしていて、それに部屋中が侵食されている。ここ数年、「断捨離」がブームになりましたよね。あれって、そういう状況への反動なのかもしれません。
──休日に旅行やテーマパークに出かけたりすると、必ず記念になにかキャラクターグッズやお土産を買わなくてはいけないというような気持ちになりますよね。「生活に必要だから買う」のではなくて、「そこに行った」という思い出をつくるために買い物をするという。
──その感覚はよくわかります。
──でも、思い出の品って、なんだか捨てづらいですよね。
──そういえば推し活をしていたアーティストのグッズやCD、ぬいぐるみなんかも、やたら場所を取るばかりで捨てられていません(笑)。
──なるほど。
──優先順位をつけなければいけない。そして、優先順位の低いものから捨てなければいけない、と。でも……。
だから、これまでの自分と向き合って、今の自分の幸せを支えてくれているものを見つめ直し、今とこれから先の未来で、どんな暮らしがしたいのかを考えること。自分の人生にとって本当に大事なものはなにか、見極める作業が必要だと思うんですね。
「捨てられない人」は、人生を損している
──とはいえ、「いつか使えるかも」「あとで必要になったらどうしよう」みたいな気持ちがどうしても出てきてしまうんです。
──自宅の物置に、謎のケーブル類や工具類、捨てられない文房具やケースなんかがたくさん眠っています(笑)。
- 物が多すぎることで探し物の時間が増える
- 部屋が散らかっていることでスムーズな動線が確保できなくなる
- 物をなくしたり、移動に手間取ったりして精神的ストレスがかかる
- 部屋が散らかっているからと人を自宅に呼べなくなる
- 不本意な状態の部屋に住んでいるという意識によって自己肯定感が下がる
- 片付けられない自分に劣等感を感じ、人生の可能性を狭めてしまう
ちょっと考えただけでも、これだけのマイナス面が挙げられます。これって、まさに「人生を損してる」ことにならないでしょうか。数千円、数百円のものを捨てられないがために被ってしまう損失としては、けっこう大きすぎると思うんです。
──余計な段ボールがドアの前にあって、いちいち動かさなきゃいけなくて邪魔だったり、捨てられなくなったTシャツを溜め込んでいたせいで、忙しくて時間がないのにお目当ての服がいつまでも見つからなかったり……。
「大切な思い出の品」「自分にとって大事な物」を捨てない方法
──今日のお話を伺って、無駄な物を断捨離する決心がつきました。とはいえ、かんなさんは「自分の人生を幸せにしてくれるものは、捨てなくていい」という立場ですよね。捨てたくない物があるけど、それを保管するスペースが自宅にない人は、どうしたらいいでしょうか。
──はい。
仮に、自分がとても好きな趣味がゴルフだったとして、大きなゴルフバッグの保管場所に困っているとします。でも、日用品に比べて使用頻度が低いからといって、大事にしている趣味の品を手放すというのは、やっぱり気持ちの面で暮らしの満足度を下げてしまいますよね。
──たしかに、物を捨てるかどうかは「使用頻度」だけでは決められないですよね。本人にとっての価値観の問題になってきます。
──そもそも価値を単純に比較できるものではないですよね。
その結果、自宅にはどうしても収まりきらない大事な物を、少しコストはかかってしまうけれど、自宅とは別にサブの保管場所、サブの収納スペースを確保するという選択肢があるのは、とても有り難いことだと思います。
──トランクルームや貸し倉庫を利用する、という方法ですね。
湿気〜防カビ対策はもちろん、急激な温度変化を避けることで、経年劣化のリスクも軽減することができます。最近は各地にトランクルームの店舗が増えているので、自宅から距離の近い場所にあるトランクルームを利用するのが良いと思いますよ。
──本日はありがとうございました。
TRUNKROOM-JOURNAL編集部です。収納スペースを確保したい人に向けて、レンタル収納スペースに関するお役立ち情報をお届けします。